冷めない熱で溶かして、それから。



「へぇ、いい男を見つけたんだねメイちゃん。自分のためにこーんな必死になってくれるなんて、まるでヒーローだな。それとも君もメイちゃんで遊んでる人?」

「……っ、てめぇ」
「松野くん……!も、もういいから……」

 今にも手が出そうな松野くんを止めに入る。
 たとえ先輩が挑発したとしても、先に手を出したほうが圧倒的に不利だ。

 私のせいで松野くんに問題を起こしてほしくない。


「なんだ、殴ってこないのか。お前もメイちゃんもつまんねーな。ま、いいや。他の子で遊べばいいし。今度こそ男に騙されず幸せになれたらいいな、メイちゃん」

 先輩は最後の最後まで冷たく私を嘲笑い、去っていった。
 ようやく先輩の姿が見えなくなったことで安心し、我慢していた涙が溢れてしまう。


 怖かった。
 ただそれ以上に何もできなかった、言い返せなかった自分が悔しい。