冷めない熱で溶かして、それから。



 今日はちゃんと使用許可をとっているって言っていたけれど、ツテでもあるのかもしれない。

 前回は無断使用みたいだったけれど、バレても怒られない自信があったのかな。


 それよりも、今は松野くんとふたりの時間がとれたことが嬉しい。

 思わず笑みがこぼれ、早く着替えようと心がける。


 着替えたあとは家庭科室に直行だ。
 私のほうが先に着くかなぁ。

 鍵は開いていると言っていたけれど、やっぱりひとりで入るのは躊躇ってしまいそう。


 教室を後にして、家庭科室に向かった。
 途中、人で賑わう廊下を通る。

 出店には一切目を向けず、松野くんと会うために足を進めた。


「……芽依ちゃん?」

 ふと、誰かに名前を呼ばわれた気がして足を止める。
 勢いよく振り返ったけれど、私に視線を向けている人は見当たらなかった。