「あの、松野くん……ごめんなさ」
「俺、もう先輩を泣かせたくないんです。だから最近、手を出さないように我慢してるってわかってますか?」
「え……」
「なのにそんなかわいい格好して、誘うような顔してわざとですか?手を出していいんですか?」
松野くんの頬がほんのり赤い。
確かにいまの格好は大胆だと思うけれど……それよりも、我慢してくれてたんだ。
興味が薄れていったんじゃないかって、私が拒否したから、離れていくんじゃないかって不安に思っていたから……良かった。
「あの、松野く……」
「あはは〜、それでさぁ」
「何それ〜」
欲が出て、口に出しそうになったとき。
教室の外で女の人たちの声が聞こえ、ふたりしてビクッと肩が跳ねる。
そうだ、ここはクラスの子たちが来る教室。
いま松野くんといるところを見られたら、いろいろ誤解されてしまう。



