冷めない熱で溶かして、それから。



 私は諦めて、璃花子ちゃんに渡された男の人の衣装──メイド服を着ることになった。

 丈、すごく短い気がする。
 男の人が来ているときは気にならなかったけれど、胸元も結構開いているような……。


「あの、璃花子ちゃ」
「かわいい〜!やっぱり芽依は執事服じゃなくてメイド服に限るね!」

 私の格好を見て、目を輝かせる璃花子ちゃん。
 スマホは私に向けられていて、撮る気満々なのがわかる。


「あの、私のスマホで何するの……?」
「それはもちろん、後輩くんを一瞬で呼び出すためよ」

「えっ⁉︎」
「10分以内にここに来なかったら、メイド服姿の最高にかわいい芽依を人前に放り出すってね」

「そんな……!」


 もし松野くんが来なかったら、私はこの姿で放り出されるの⁉︎
 そんなのぜったいに嫌だ……!