19時過ぎに病棟を出て、着替えて、車に向かった。
『ミスをしないように気をつけてたのに。なんで忘れたんだろう。』
グルグル頭の中をかき乱した。
 
 駐車場に着いたとき、
「お疲れ。」
の声が聞こえた。暗くてよく見えなかったが、近づいてきた。
森くんだった。

 森くんを見た瞬間、涙がドバーッと出てきた。
「やっぱり。車乗って。」
頷いた。
 車に乗った。車が動き出した。
「どこ行くの?」
「近くの公園の駐車場。病院だと見られるでしょ?」
「はい。」