それから、愛華には暴走族に入った理由と家族の話をした。


こんなにも自分のことを話したのはいつぶりだろう。家に帰ってもいつも1人で誰もいない。


族の仲間にもこんなに話したことはない。


愛華は俺の話を頷きながら聞いてくれた。


***


俺が族に入ったのは中学に上がった頃。


昔から俺はやんちゃで悪ガキで有名だった。幼稚園の頃、ある日を境に俺はさらに悪さをするようになって、中学に上がる頃はもうすっかり不良、と呼ばれる類に入っていた。


その頃、親が離婚寸前だったということもあり、イライラなどが増していて、いつしか家には帰らなくなっていた。


繁華街をウロウロしてはケンカをし、学校にもろくに通わずいて。


ある日、俺にケンカをふっかけてきた奴らがいた。それが当時全国No.1と言われていたBLACKCATSの幹部。


その族は史上最悪の族、ということでも有名で、ケンカが強かった俺を目にとめたのだろう。