恐る恐る愛華を見てみるときょとん、とした顔でこちらを見ている。



「え?なんで秋葉くんを嫌う必要があるの?」


「………だって、記憶を無くしたのは俺のせいだから。俺のせいで、愛華は……」


「私はまだわからないけど……今の秋葉くんは悪い人ではないことはわかってるよ。それに、どんな過去があったか知らないけど、私は秋葉くんのことが知りたい。男子のことをこんなに知りたいと思ったのは秋葉くんだけなんだよ」



目を細めてにっこり笑う。


その笑顔を見て何か暖かいものが心の中に広がった。愛華は……ちゃんと俺のことを見てくれている。


過去の俺じゃなくて、今の俺を。



「ありがとう、愛華」


「なんで秋葉くんがお礼を言うの?それよりも続き、教えて?」



愛華は上目遣いに下から俺の顔を覗き込む。その顔の近さにドキッと心臓が跳ね上がった。



「わかった。俺が族に入ったのは……」