部屋を出て、階段の下を見てみるとまたカラフルな頭が目に入る。


だけど、来た時より恐怖感はいくらかなくなっていて、その代わり疲れがどっと出てきた。


秋葉くんについて行くようにして歩く。



「悪かったな。無理やり連れてこさせて。オマケにケンカに巻き込むなんて。怖かっただろ?」



階段を降りて倉庫のドアを開けるなり優しい声色で話しかけてきた。


その優しさにぎゅっと心臓を鷲掴みされたような衝撃が走る。



「ううん、今回は自業自得みたいなものだし、気にしないで。それに、私、秋葉くんにちゃんと助けてもらったから怖くなんてなかったよ」



ニコッと微笑んで秋葉くんを見る。怖くなかったなんて言ってしまったけど、実はちょっぴりウソ。


怖いこともあったけど秋葉くんが助けてくれたから。私はもう大丈夫だ。


そんな、安心感が芽生える。



「ほんとか?」



こくり、と頷くけど私を見る顔はどこかまだ不安げで。秋葉くんの目が揺れていた。