クールなイケメン総長さまの溺愛には注意です!


「おい、どうかしたか?」



本を持ったまま、私をじーっと見る彼は不思議そうに首を傾げている。


その低い声にひっ………と声を出しそうになるのをこらえて本を受け取る。



「あ、あ、ありがとう………ございます」


「おう。…………って、お前、なんかどっかで見たことあるような………」



怖くて声が震えたけど絡まれなくて済みそうっ……!


本を受け取ろうと手を伸ばすも、何故か離してくれない。



「あ、あの…………」



私をじーっと見つめる彼に遠慮がちに声を出す。


わ、私の顔になんかついてるのかな?


それともこの地味な見た目をバカにしてる……?



「あ、いや、悪い。じゃあな」



本から手をぱっと離すと颯爽とこの場から離れていった。



「なんなんだったんだろう………。あの人。先輩かな………」



彼が消えていった方向を見ながらボソリとつぶやく。


ウチの高校の男子生徒の制服を着ていたからウチの学校で間違いないんだけど。