………これはどうしたものか。
警察に通報しようと携帯を構えたのはいいものの、リンチどころか秋葉くんはケガひとつさえしていない。
このくらい強ければ警察なんて呼ばなくてもいいのでは?
と、首を傾げるばかり。
その時、
ーカシャーン………。
手から力が抜けてスマホを落としてしまった。
や、やばい!
しゃがんで慌てて拾う。
しゃがんだ瞬間、なんか音が止んだような………。そう思った時には時すでに遅し。ヘルメットを被った人、全員が私の方を向いているではないか。
そんでもって秋葉くんは目を丸く開いてポカーン……としているし。
こ、この状況はさすがにやばいんじゃ……。
しゃがみこんだまま目を逸らせずにいると、
「あ?誰だ?コイツ。つーか、今手から何落とした?」
「ひっ…………」
1人のヘルメット男がこちらに近づいてきて低い声でそう訪ねる。



