なんだか胸の奥がザワザワして落ち着かない。
自分でもわからないけど、足が勝手に動くんだ。
スマホをトートバッグにしまいながら歩く足を速める。
真っ直ぐ歩き、急いで右に曲がると………
ードカッ!バキッ!
鈍い音が響いた。
ドキッとした胸を押さえてそっと顔を上げると……
「え………?秋葉くん………?」
そこにはヘルメットを被ったままの人と……私のよく知っている秋葉くんがいた。
何がなんだかわからなくて声を失う。
え、なんで秋葉くんがここにいるの?
しかも、隣にはバイクがあるし………。まさかこのバイクに乗ってきたの!?
秋葉くんの隣には大きくてカッコイイ黒のバイクが置いてあった。
私はあんぐりと口を開けたまま秋葉くんを見つめた。
向こうは後ろを向いているせいか私には全く気づいていない。
ヘルメットの人も私には気づいていないようだ。



