「秋葉くん、暴走族の総長らしいよ!」
「…………は?」
暴走族の…………総長???
紅葉、何を言ってるの?
今どきそんな物騒な暴走族がいるわけないじゃん。
「紅葉、大丈夫?暴走族なんて今どき聞かないよ?デマ情報じゃない?」
本気で心配になる。
紅葉はゴシップとか、噂とか大好きだからデマ情報に引っかかりやすいところがある。
だから私は噂話が来た時は大抵信じない。
「いやいや、デマじゃないって!クラスの女子がちゃんと口にしたし、目撃情報もあるんだから!」
「はいはい」
私は熱弁している紅葉をよそにお弁当の包みを開ける。
そしておかずを一口、口の中に放り込む。
テキトーに頷きながらご飯を食べ進めた。
「…………で?それで終わり?」
「あ、愛華、信じてないね!?少しは信じなさい!」
ビシッと指を私に向かって指す。
うわぁ………これ、めんどくさいやつだ。



