ここまでは計算通りだ。


あとは……愛華を守りきるだけ。俺は12年前の過ちをもう一度おこさないように……。


せめてもの償いをさせてほしい。


俺は………愛華に恋する資格はないんだ。



「よー、Moonlightの総長さん。久しぶりだなぁ」



はっとして顔を上げるとそこには前と同じようにバイクを横に止めて、ヘルメットをつけたまま俺を睨んでいる。


いや、表情はわからないから睨んでいるか笑っているか分からないが。


俺は愛華が攫われないようにと奴らに近づく。



「あぁ、久しぶりだな。BLACKCATS総長の……松田歩(まつだあゆむ)」



調べておいたBLACKCATSの総長名前。


やつは俺の声にぴくりと反応すると、ゆっくりとヘルメットを脱いだ。


その瞬間に顕になる顔。


金髪の頭をかきあげながらニヤついていた。



「さすがだねぇ。俺のこと、知ってるんだ」