「………ごめん、思い出せない」
「…………ダメか」
キッパリ言った後、切なそうに、苦しそうにまゆをひそめる太陽。
さっきまで楽しい雰囲気だったのに、一気に暗い気持ちになる。
私は………どうしたらいいんだろう。
「たいよ………」
ーブォン、ブォン、ブォン……。
太陽の名前を呼ぼうとした時、どこからか凄まじいバイク音が聞こえてきた。
「な、何!?」
「ちっ。見つかったか……相変わらず悪質だな」
太陽は舌打ちをすると私をかばうように背中で隠してくれる。
このバイク……見たことある。
「た、太陽……これって……」
「ああ、BLACKCATSの奴らだ。警戒していたが、まさかここで見つかるとは。……愛華、走れるか?」
「え?う、うん」
周りのバイクは私達を囲むように威嚇している。あのバイク……前、太陽を襲っていた奴らのだ。
すごく特徴的だったからよく覚えている。



