だから私は慌てて、
「な、何もないよ。五十嵐くん、今日も優しかったし、いつも通り作業を一緒にしただけだよ」
「嘘つけ。声震えてる。それに、目もなんか赤いし。なんかあったのバレバレ。愛華は隠すの下手すぎ」
ば、バレてる………。太陽、相変わらず鋭い。
図星をつかれ、どうやって逃れようか考えあぐねていると、
「愛華、何かあったなら俺に話して欲しい。愛華が悲しむのは嫌だ。俺は………愛華を守るって言っただろ?」
「…………っ、太陽……」
その優しい言葉と視線に負けて、おさまったはずの涙はまた溢れた。
「ひっく、……い、五十嵐くん、にね……っ」
ちゃんと言葉にしたいのに、思った以上に動揺していたのか上手く言葉にできない。
言いたいことが出てこない。
ちゃんと言わなきゃ。
じゃないと太陽を悲しませちゃう。
「ゆっくりでいいから。ちゃんと聞く」



