クールなイケメン総長さまの溺愛には注意です!


なんで、どうして。


何も言わずにひたすらそのことばかりを考える。だけど、そんなことよりも。


ファーストキス……奪われてしまった。


そんな事実を実感して、謝る五十嵐くんなんて目に入らない。



「な、んで……キス……したの?」



聞くのが怖い、と思いながらも震える声でそう訪ねる。好きでもない人からキスされた。よりによってファーストキスを。



「清水さんがずっと好きだった。俺は態度で示していたつもりだったけど、清水さん、全然気づいてくれなかった……」


「………ふっ……い、五十嵐くん、酷い!五十嵐くんのバカ!」



気づいたら涙が溢れてきて、涙を拭いながらそう叫んでいた。


私は勢いよく立ち上がるとカバンとコートを掴んで図書室を飛び出す。


後ろから名前を呼ばれた気がしたけど私は走ることをやめなかった。


なんで……ファーストキスを奪ったの。


告白する方が先じゃない!?