クールなイケメン総長さまの溺愛には注意です!


椅子に腰を下ろして日誌を開く。



「いや、早いよ。だってまだHR終わって数分じゃん」


「んー。そう?俺はただ清水さんと長く一緒にいたいから早く来てるだけだけど」


「へ?」



笑いながらそんなことをサラッと言ってのける五十嵐くん。


私は驚きのあまり固まってしまった。


あれ、今なんて言った?



「なーんてね、冗談だよ。もう、清水さんってばわかりやすいなぁ」


「じ、冗談………。びっ、くりした……」



冗談だとわかってほっとしたものの、五十嵐くんはどこか寂しそうに私を見つめる。


その視線に違和感を持ちながらも今日もいつもの作業を黙々とこなした。


五十嵐くんにはこの間のことをちゃんと謝った。太陽が無理やり連れ出したあの日。


ほんとに申し訳ないことをした。


だけど五十嵐くんは嫌な顔ひとつせず笑って許してくれた。


五十嵐くん、いい人だよなぁ……。