私は窓の外を眺めながら先生が来るのを待った。
10分後。
担任の先生が教室に入ってきて出席をとる。
それが終わると教室をぐるりと見渡し、口を開いた。
「えー、知っている人もいると思うが、今日は転校生が来る」
先生はみんなによく聞こえるように大きめの声でそう言った。
その途端、ザワザワと騒がしくなる教室。
「えー、どんな人だろ」
「私、イケメン希望〜!」
女子の声が飛び交う中、男子もソワソワした様子でドアの先を興味津々に見ていた。
「ほら、静かに。それじゃあ、紹介するぞ。……秋葉、入ってこい」
先生は教室を静めるとドアの方に目をやり、名前を呼んだ。
ードキドキ。
なんでかよくわからないけど私の心臓はドキドキと鳴りっぱなし。
はい、という低い声とともにゆっくりと足を踏み入れた。
「キャー!男子じゃん!しかも、かっこいい〜!」
「ねぇ、もしかしてあの人って……Moonlightの総長さまじゃない!?」



