クールなイケメン総長さまの溺愛には注意です!


あー、どうしよう。


完全に自分の世界に入っちゃった。



「紅葉?私の場合は絶対にそんなこと起きないからね?」


「いやー、それはわからんでしょ。実際、こうして愛華と恋バナしてるんだから」



…………これのどこが恋バナなんだ。


確かに男子とはぶつかったけど恋をしている、なんて一言も言っていない。


私は………恋なんてしない。
したくない。



「もうっ!紅葉、帰ってきてよ!」



ゆさゆさと紅葉を揺らして飛んでいってしまっている意識を何とか戻そうと試みる。


ーキーンコーンカーンコーン………。


だけど、それは叶わぬままホームルームが始まる予鈴が鳴り響く。



「それじゃあ、席戻るね〜」



転校生、楽しみだな〜……とかわけの分からないことをつぶやきながら席に戻っていく紅葉を見つめた。


その姿を見てあはは………と苦笑いがこぼれる。


完全に紅葉にハメられた気がする………。