さらにグイグイと迫られ、顔をしかめる。
どれだけイケメンが好きなんだ、紅葉は。
「まぁ、確かにイケメンだったよ。でも、ちょっとクールというか。近寄りがたい感じだったなぁ」
彼の顔を思い出しながら彼が転校してきたら女子が騒ぎそうだな………と思った。
「噂話通りだねぇ」
「ん?噂話通り?」
「こっちの話よ。そんなことより………」
「そんなことより?」
「愛華がこんなに男子の話に食いつくなんてね〜。あたしは嬉しいわ〜」
いやいやいや、食いついてなんかないから。
紅葉は一体何を勘違いしてるの!?
私は首をふるふると全力で横に振る。
「いや、そんなんじゃないし!紅葉、なにか勘違いしてるんじゃない!?」
「別に勘違いじゃないよ〜。転校生と朝、ぶつかって、同じクラスになって、席も隣で。そこから恋が始まる〜………なんて恋愛の鉄板じゃない!」
あ、また始まった。
紅葉の妄想劇。



