私はその転校生が気になったので今朝の出来事を話すことにした。
「今朝ね、登校してる時に………不良にぶつかったのよ」
「は!?不良にぶつかったぁ!?」
「紅葉、声が大きい………」
さっきの私よりも驚いているではないか。
若干呆れながらも話を続けた。
「いや、不良かわからないんだけどね?こう……本を読みながら歩いていたら、ドーンって。ぶつかった」
「…………また歩き読書してたの。愛華、アホじゃないの?」
ジト目で睨まれ萎縮する。
…………はい。そうですね。
「うん………。それで………怖かった」
「あはは………。愛華は男子が苦手だからね〜。オマケに不良にぶつかるとか運なさすぎでしょ」
「そうなんだよー。もしかしたらその人が転校生かも。見たことない顔だったし」
「どんな顔だった!?イケメン!?やっぱイケメンなの!?」
「ちょ、紅葉、落ち着いて!」



