僕らの紡いだ音!

「明日の朝10時、駅前の時計のところに集合な!」
昨日、いきなり社長に言われた言葉―。
いったい何だろう?
もともと、今日はoffでどこかに行く予定もなかったからいいけど。
そう思いながら、スマホをいじっていた時だった。
「ねぇねぇ、君一人?俺らと遊ばね?」
「……。」
「ねぇねぇ、聞いてるー?」
「……連れがいるので無理です。」
「でも、さっきからずっとここにいるよねー?もしかして、連れの人帰ったんじゃないの?」
うるさい…。
こんな時に限って一人だし、周りに目を向けても誰も助けてくれそうにない。
(当たり前か…。)
誰だって、自分の身が一番大事だ。
シノのようにかっこよく助けてくれる人なんていないし、社長たちも近くにいない。
(…ああ、そっか…。)
私はもう、1人でいられないんだ…。
私が何の反応も示さないので、絡んできた人たちは去っていった。
「おーい、萌香!待たせたな!」
そう言って近づいてくる社長になんだか嫌になった。
どうしてもう少し早く来てくれないの?
どうして私はこんなにさみしいの?
どうして私は…
「おい、突っ立ってると危ないぞ。」
そういって、私のことを注意する方をみて驚いた。そこには、あの3人がいたからだ。
どうして、この人たちがいるの…?
「……る。」
「ん?萌香、どうかしたか?」
「帰る!」
そういって私は走って帰った。