(短編)キスだけで我慢できるなら。

「先生は怖くないよ。優しいもん」


「男の本性をわかっていないですね。
そういうことを僕以外の男の前ではしない方がいいですよ」


「ヤキモチ?」


「いえ、ただ注意してるんです」


ハアッてため息を吐く先生は完全に呆れ顔だ。


先生は小言が多いんだ。


私のことをどこまでも生徒扱いしているから。


女として見ていないのなんてとっくにわかってる。わかってるけど……。


「いいよ、もう。
先生が別れたいんなら今までのことはなかったことにしてあげても」