「先生、私を避けてるんでしょ?」


「避けてないですよ。
最近は忙しかっただけです」


先生は薬品の整理をしながら生返事をする。


ここは高校の保健室で、私と先生の二人だけしかいない。


「かまってくれなきゃ浮気するよ」


「はあ、別にこっちは構いませんよ」


先生は全然動じることもなく、ニコッと綺麗な笑顔をみせた。


「そんな度胸があればの話ですが」


「先生、冷たいよ。私の彼氏のくせに」


「僕は中谷さんに脅されて仕方なく付き合ってるだけですから」


「うそっ、ほんとは私のことが好きなくせに」