【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない

次の日の依乃里の体調は良好。なのに浮かない顔をして、窓の外をボーッと見ていた。





体調は一晩寝れば良くなった。それなのに心は苦しいまま。






今日はまだ昴先輩に会えていない。教室に行こうかな?





いやいや、それは迷惑。今以上に突き放される。






「大変だよ!もう少しでクリスマスだよ」






「だから?」






「クリスマスだよ!一年に一度の。彼氏と過ごさないとクリぼっちの仲間になっちゃうんだよ!?そんなの嫌だよ〜」







同じクラスの松島 佐恵香(まつしま さえか)と谷本 真帆(たにもと まほ)がクリスマスについて話しているのが聞こえた。







依乃里は振り向きはしないでその会話に耳を傾ける。







クリスマスか。あと二週間くらいだよね。私も昴先輩とクリスマス過ごしたかったな。







「私決めた!クリスマスまでに彼氏つくる!今年は寂しいクリスマスを絶対に送らないようにするぞ。おー!」






「はいはい。佐恵香がんばれー」







真帆はあまり期待していない様子。