【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない

「八雲くん...。どうしてあんなこと言ったの?私はあの時のこと全然気にしてないし、先輩がその後そばにいて、すごく安心した。勝手なこと言わないで...!」






いくら私が憧れた人でもこれはあんまりだよ。






好きな人が自分の元から離れるってとても辛い。






「だけど、先輩が依乃里の元を離れなければ倒れることがなかった。離れた理由も話さない男といて、依乃里は嫌じゃないのか?」






「それは…」






言葉が詰まる。







先輩から理由を聞けなかったのは私だって嫌な気持ちになった。






人には言えないことだってあるなら仕方ないと思う。






あの時、先輩がいなくて不安になったし、怖くなった。心細いと言った方が合ってるかな?







一人であまり出かけたことないから誰かがいないと正直不安になる。







両親といる時と同じくらい先輩といると安心する。だからいなくなっていて焦りを感じた。







私にとって先輩は、それくらい大きな存在なんだよ。