【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない

「思い出した。小さい時、祖母のお見舞いで病院に行った時に退屈していた女の子いて看護師さんに頼んでダンボールとハサミなんかを借りて作ったんだ。それでその子に話しかけたんだ。それが依乃里だったんだ」







遡ること数年前。依乃里がまだ入院していて退屈な毎日を送っていた頃、彼に出会った。






『つまんない…。早く退院したいな』






病室でつまんなそうにしている依乃里の前に突如ダンボールを持った男の子が現れた。






『こんにちは!今日は俺と話そう』






『誰?』






不思議そうにしていると、その男の子はダンボールの枠を顔に掲げて話をし始めた。







『今日はとある病院に入院している女の子に話しかけてみましょう。一緒に映ろう!俺は昴』






『私は依乃里。これってテレビなの?』