【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない

「これが俺の答えだよ。当たってた?」





コクンと静かに頷いた依乃里。





胸の鼓動がどんどん早くなり、外から聞こえてきていた車や人々の声が耳に入らなくなっていた。






互いに頬を赤く染めて、その幸せな時を胸に刻む。





「…はい。ようやく願いが叶いました」






先輩と恋人同士になったときにやりたかったことのひとつ。






甘いチョコの香りとほんのり苦い味わいがするフォンダンショコラがまだ口の中でとけてくる。





「じゃあ次は俺の願いを聞いてもらおうかな」






先輩の願いって?







ま、まさか…!







いやいや、そんなのまだ…。心の準備というものが整ってないし。






「後ろ向いて」






「は、はい…!」






…後ろって。私の考えは違ったのかな?なんかホッとした。





ホッと?むしろ期待してたみたいな言い方…!!声に出さなくて良かった。






出していたらまた昴先輩にからかわれていたかもしれないし。





それはそれで先輩と…あー!何考えているのよ!?





シャラ…





依乃里が1人で考え事をしていると首に何かかかったような感じがして、そっと鎖骨あたりに触れた。





手に触れたのは固くて小さな何か。






「出来たよ。鏡見てみて」