【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない

私が初めて観た配信はネットの世界じゃなくて、昴先輩が作った配信の世界だったんだ。




あの時から私は昴先輩に恋してたんだね。




フォンダンショコラを皿に盛り付け、紅茶が入ったティーカップをお盆に乗せて自身の部屋に向かった。




ガチャ





「昴先輩お待たせしました」





昴先輩が私の部屋の床で座ってるー!




この前来た時だってそこに座ってたのになんかいちいち確認しちゃう。





前は貧血でぼやぼやしてたし、元気な時に先輩と自分の部屋でいられるなんて最高の極み。





生きてて良かった。




「さっき玄関で音したけど、おばさん出かけたの?」




「はい。だからさっきよりは静かです」





ママはおしゃべりだからいたらずっと話しているんだろうな。





せっかくの2人っきりの時間を母親であろうが邪魔はされたくない。





今日出かけてくれてありがとうママ。





「そう。なら二人きりだね」






そういうことサラッと言うんだから。私もさっき、同じこと思ったけど。





はっ…!それはそうと、早くフォンダンショコラを先輩に渡さないと!





なんて言って渡そう。うぅ〜…ここは当たって砕けろだ!




「先輩。えっと、あの…ハッピーバレンタインです…!」





結局緊張してどこかで聞いたことあるような定番のセリフを言って渡しちゃった。





「ありがとう。わぁ、美味しそうだね。依乃里が作ったの?」




初めて彼女から貰ったバレンタインチョコに喜びを隠せない昴の表情はまるで、子供が玩具を貰った時ような笑顔だった。





「はい。ただ、上手くできたのはこれだけで。あとのは全部失敗しちゃいました」