「わ、分かってます」
フイッと副社長に背を向け「でも、本当に西田さんは私を……」と言えない台詞を心の中で呟き、口を尖らせる。
「分かっているならいい」
耳元で副社長の声が優しく響いたことに驚き、振り返ろうとしたが身動きが取れない。
「え?」
ホールドされている両腕に視線を落とすと、見覚えのあるスーツ生地が目に入る。このスーツを着ていたのは、さっきまでソファに座り資料に目を通し西田さんに恋愛感情を持つなと私に忠告をしていた副社長だ。
なのに。こんな状況になっていることが、すぐには理解できない。
どうして私は副社長に背中から抱きしめられているのだろう。
肩越しに副社長の息遣いが聞こえる。それくらい私達の距離が近い、という証拠で。
動揺するなという方が無理がある。
「ほら、隙だらけだ」
「副社長?」
静かに耳元で囁かれると、力が緩み身体が自由になった。
どういうつもりで副社長がこんな事をしたのか、全く理解不能。ただ、自由になった身体を反転させ副社長と向き合った状態で目を見開き見つめてしまった。
当の副社長は、至って真面目な表情を崩していなくて。むしろ私のせいだとでも言いたそうだ。
フイッと副社長に背を向け「でも、本当に西田さんは私を……」と言えない台詞を心の中で呟き、口を尖らせる。
「分かっているならいい」
耳元で副社長の声が優しく響いたことに驚き、振り返ろうとしたが身動きが取れない。
「え?」
ホールドされている両腕に視線を落とすと、見覚えのあるスーツ生地が目に入る。このスーツを着ていたのは、さっきまでソファに座り資料に目を通し西田さんに恋愛感情を持つなと私に忠告をしていた副社長だ。
なのに。こんな状況になっていることが、すぐには理解できない。
どうして私は副社長に背中から抱きしめられているのだろう。
肩越しに副社長の息遣いが聞こえる。それくらい私達の距離が近い、という証拠で。
動揺するなという方が無理がある。
「ほら、隙だらけだ」
「副社長?」
静かに耳元で囁かれると、力が緩み身体が自由になった。
どういうつもりで副社長がこんな事をしたのか、全く理解不能。ただ、自由になった身体を反転させ副社長と向き合った状態で目を見開き見つめてしまった。
当の副社長は、至って真面目な表情を崩していなくて。むしろ私のせいだとでも言いたそうだ。



