そんな私の返事を聞き、電話越しで『やった、当たり!』と爆笑している西田さんの笑い声が、思った以上に大きくて。
耳に近づけていた携帯電話を無意識に離してしまっていた。
『……ない?』と受話器越しに聞こえたけれど、耳から離していた為に聞き取れず「へ? 今なんて言ったの?」と聞き返してみる。
今度はちゃんと聞こえた西田さんの声が『飯食べに行かない?』と優しく耳元に届き、ドキッとしつつも西田さんからの誘いが嬉しくなってしまい。
帰宅前に副社長室へ寄らなければいけないことをすっかり忘れて、イエスを即答していた。
『後どれ位かかる?』
「うーん、そうですねぇ。十五分位あれば」
『OK。じゃあ、さっき優羽を降ろした所で待ってるよ。でも、他に先約とか無かった? 大丈夫?』
「芽衣なら大丈夫……じゃなくて。職場の友達に飲みに誘われたんですけど、帰宅前に副社長室に寄……あぁ!」
ようやく忘れていたことを思い出し、速攻で見えない西田さんに対して何度も頭を下げ謝る。
「すみません、副社長室へ行くこと忘れてました。食事に行きたいんですけど、何時に終わるか見当もつかないので……」



