夏の風



あたしは急いで外に出た 

「亜耶!待てよ!」


あたしの腕が大きな手に掴まれた 


振り返ると丈流くんがいた 


「な…何?」


「亜耶来てたの全然知らなかったよ!いつ来たんだよ?」


「丈流くんが来る前から来てたよ!手、痛いから離して!」


あたしはついキツイ口調になってしまった 


本当は会えて、声が聞けて、触れる事が出来て… 


涙が出るほど嬉しいのに 

でも、ここで泣いたら女がすたる気がした 


歯を食い縛って、泣かないように丈流くんを睨んだ 


「亜耶、何そんな怒ってんだよ?」


丈流くんはあたしが怒っている理由が全くわからないみたい  


あたしの大好きな笑顔で、あたしの腕から離した大きな手を今度はあたしの頭に乗せた 


その笑顔…反則だよ