「なにやってんだよ、落ちるぞ!」


そう言いながら丈流くんはあたしの手を丈流くんのお腹の方に引っ張った 


あたしはピッタリと丈流くんにくっつく形になり、心臓が飛び出そうになった 

「じゃ、行くぞ!」


ブォン…


バイクは走りだした 


あたしを気遣ってか、それとも酔っぱらっているのか、スピードはあまり出してないようだった 


夏の始まりの風が頬に当たり気持ち良かった 


「バイク、気持ちいいね」

「何〜?聞こえねぇ〜よ」

「バイク!気持ちいいね!」

あたしはもう一度、大きな声で言った 


「そうかぁ?またいつでも乗せてやるよ」


丈流くんの言葉がすごく嬉しかった 


また、会えるんだ 


また…