初恋グラフィティ


私がうなだれていると、ふいにユキちゃんが聞いてきた。




「あのさ、普段の実穂ってどんな感じ…?」


「え…?」


「ほら、俺たまにしか実穂に会えないだろ…?それであいつ、普段はどんな感じかなって思ってたんだけど…」


「……」




涙がこぼれそうになった。



何で私にそんなこと聞くわけ…?




「やっぱ学校でも強かったりする…?」




ユキちゃんが目を細めて笑った。




私は込み上げてくる感情を抑えきれず、思わず彼に叫んでいた。




「ユキちゃん…」


「ん?」


「みぽりんなんてやめなよ…」


「え…?」




ユキちゃんの表情が固まるのがわかったけど、私は自分を止めることができなかった。




「ユキちゃんは知らないだろうけど…、みぽりん、ユキちゃんの他にも付き合ってる人がいるんだよ…?」




そう言ったとたん、ついに目から涙が落ちた。



私の感情の糸は既にプツリと切れてしまっていた。




「みぽりんなんてユキちゃんには似合わない…。ユキちゃんにはユキちゃんだけを見てくれる人がいいと思う…」


「志保…」