初恋グラフィティ


「ヘー、ユキちゃん、彼女いるんだ…」




いかにも初めて聞いたかのようにそう言うと、


ユキちゃんははにかみながら頭をかいた。




「ごめん…。隠すつもりはなかったんだけど、俺志保の学校の先生と付き合ってるんだ…。是枝実穂先生って知ってる…?」


「う…ん」




私は何とかうなずいた。




「知ってるも何も、みぽりんは私の部活の顧問の先生だよ…。学校じゃもう嫌ってほど顔合わせてるし…」


「へー。そうなんだ」




ユキちゃんは人の気も知らずに笑った。




「世の中って意外と狭いな」


「そうだね…」




ホント、時々世の中って狭すぎるゆえに残酷だよ…。