初恋グラフィティ


…でも、


たぶんその日を最後に、私はもうユキちゃんの車に乗せてもらうこともなくなるんだよね。



ほんのわずかな時間でもユキちゃんと一緒に過ごせるのは嬉しいけど、


何かすっごく複雑な気分…。






結局きのうに引き続き、私は呆然とした1日を過ごすことになった。




みぽりんにも会いづらいから部活も休もうかと思ったけど、


キーコがうるさかったので私は仕方なく音楽室へと足を運んだ。






合唱部では、最初に柔軟と発声をしてから各パートに別れて練習するのが日課となっている。



いつものように空き教室でパート練習をしていたとき。


練習が一息ついたところで、2年生の先輩達が急にみぽりんの話をし始めた。




「ねえ、聞いた…?きのうの夜、みぽりんが柏田と一緒にいたってウワサ」




え…?




「聞いた聞いた。みぽりんって意外と柏田みたいなのが好みだったんだ」


「ねー」




そっか…、


あの先生、柏田先生っていうんだ…。