私は恭平さんの「送ってくよ」という言葉を無視して、さっさと彼の部屋を後にした。
ここがどこなのかよくわからなかったけど、とりあえず人通りの多い道に出ると、家の近くを通るバス路線を見つけることができた。
よかった…。
これで家に帰ることができる…。
ほっとしつつバスの到着を待っていると、
通りの向こうを見覚えのある顔が歩いていた。
あれっ…?
目を凝らしてよく見ると、それはみぽりんだった。
しかも、男の人と手をつないで歩いている。
目の悪い私にはその男性が大柄で黒っぽい服装をしていることしかわからなかったけど、
彼はどう見てもユキちゃんじゃなかった。

