ここがユキちゃんの職場なんだと思いながら駐車場の辺りをぶらぶらしていると、 ふいにアスファルトの端の方に高く積まれた雪の山が目に入った。 路肩で見る雪はたいてい黒く汚れているものなのにそれはめずらしく白く、 除雪車で寄せられたのか側面が平らになっていて、まるで絵画用のキャンバスか何かのように見えた。 その光景にいたずら心をくすぐられた私はその前にしゃがみ込むと、 硬くなった雪面に右手の人指し指で大きく文字を書いていた。