タクシーに乗って市役所へと足を運ぶ。 出向いた窓の向こうでは、年配のおじさんがひとりテレビを見ながらくつろいでいた。 ユキちゃんがおじさんに声をかけると、ふたりは知り合いなのか何やら楽しそうに話を始めた。 書類を渡した後でさえ、会話は途切れることなく盛り上がっている。 私は話に入れなかったので、ふたりのおしゃべりが終わるまでその辺で時間をつぶしていようと思い、 黙ってその場を離れた。