「けど俺、この日記を何度も読み返してたら、やっぱりこのまま君と結婚するわけにはいかないなって思うようになってきてさ…」
恭平さんはタバコの灰を灰皿に落としながら続けた。
「いろいろ考えてるうちに、やっと気づいたんだ」
「え…?」
「好きな人を不幸にするのが愛じゃない…。好きな人が幸せになれる方法を1番に考えるのがホントの愛なんだってことにね」
恭平さんは笑った。
「初恋の君にはとりわけそう思う」
「恭平さん…」
彼の言葉に、私は込み上げてくる何かを感じていた。
「初恋は実らないっていうのは確かにそうかもしれないよ…。けどさ、さっきも言ったけど、初恋全部が全部そういうわけじゃないと思うんだ…」
静かな控室に恭平さんの声が力強く響いた。
「だから君は幸男と幸せになれよ」
…私の目から再び涙がこぼれ落ちた。

