恭平さんがお風呂に行った後も、私は居間でぼーっとしていた。
恭平さんの性格や今までの行動を考えると、
今日みたいなことがあればまた手を出されてもおかしくないのに、今日は何もされなかった。
ひとりだとさみしいとか言ってたくせに、結婚式が終わるまで実家に戻ってていいなんて言ってくれたのも、ちょっとおかしい気がする。
私の誕生日など真っ先に祝ってくれそうなものなのに…。
でも、
私の気持ちを自分に向けさせるために、恭平さんも心を改めようとしているのかもしれない。
そう考えればいろいろ納得できるけど、
私としてはあの悪魔の変化をどう捉えていいかわからなかった。
それでもひとつわかったのは、
恭平さんが私のことをホントに想ってくれてるということで…。
自分の部屋に戻ると、
机の上に恭平さんが用意してくれたらしい赤いバラの花束が置いてあって、
また胸が苦しくなった。

