初恋グラフィティ


私は恭平さんの気を逆撫でないよう言ったつもりだけど、


彼は怪訝そうに2本目のタバコに火をつけた。




「志保ちゃん…、それ、本心から言ってる…?」


「え…?」


「今言ったことが志保ちゃんの本心なの…?」


「えっ…」




そう言われると心苦しいものがあったけど、私は一応うなずいた。




「信じていいの…?」


「う…ん」




私が再度うなずくと、彼はふーっと息を吐いて言った。






「そっか…。じゃあ、結婚式は予定通り来週挙げてもいいよね…?」


「え…?」




恭平さんはかすかに笑った。




「ホントはさ…、結婚式、やっぱ延期しようかなって思ってたんだ…」




えっ…、




延期…?