けど、 今日の恭平さんはなぜか私に手を出すことをせず、 イラついた感じを漂わせながらタバコとライターと灰皿を手にすると、どすっとテーブルの前に座り込んだ。 「志保ちゃんもそこに座ってよ」 彼は私を見上げて言った。 「あ…、う…ん」 言われるまま私は彼の右ななめ前に座った。 どうしよう…。 恭平さんのこと、やっぱり怒らせちゃったかな…。 座れってことは何か説教でもされるのかな…。 恭平さんがタバコに火をつけている間ずっとドキドキしていると、 彼は意外なことを口にした。