「志保ちゃん、花束についてた手紙読んで、すぐ外に出ていっただろ…?幸男のこと追いかけて行ったわけ…?」
「そこまで見てたの…?」
「ああ…。けどそんなの見せられたら、とてもじゃないけど俺も花束持ってきましたなんて顔出せなくて、結局そのまま帰って来たんだ」
「…そうだったんだ」
恭平さんの怒りを買えばまた何をされるかわからない。
彼の目が怖かったので、とりあえず謝ることにした。
「ごめんね…。でも私、ここに来てからユキちゃんとは全然連絡取ってなくて、今日だって久々に会ったくらいだったの…。たぶんこれからも会うことはないと思うし、恭平さんも変な誤解とか心配ならしなくていいから…」
「え…?」
眉間に皺を寄せた恭平さんに、私はあせって言葉を追加した。
「私…、ユキちゃんのことはもう完全に忘れるから…」
とにかく彼の気を害したくなくて必死だった。

