初恋グラフィティ


私はユキちゃんを追いかけ、急いで会場の外へ出てみた。




外に出ると、曇り空から雪がちらちら降っていた。



私の町では3月に雪が降るのはめずらしくないけど、上着を着ないで出てきた私には、やっぱりちょっと迷惑だった。






顔にあたる冷たい雪を手の甲でこすりながら、駐車場でユキちゃんの車を探してみる。




今ならまだその辺にいるかも…。






そう思ってユキちゃんの車を探してみたけど、それはもう見つからなくて、




私はからっぽの気持ちを抱えたまま、また中に入らざるを得なかった。