「あー、そんなのいつでもよかったのに…。悪いな」 ユキちゃんはチケットを受け取り笑った。 「演奏会、楽しみにしてるから頑張れよ」 「ありがと…」 一瞬泣きそうになったけど、私は精一杯笑ってみた。 「じゃあね…」 「おう」 車を降りた私は、涙をこらえながら校門まで一気に走った。 バイバイ、ユキちゃん…。 バイバイ…。 私の心はユキちゃんに向かってさよならを叫んでいた。