私が口ごもると、恭平さんも立ち上がって私の前にやって来た。
「だって志保ちゃん、幸男のお隣さんでい続けたら、俺との約束全然守れないだろ…?」
「え…?」
ドキッとした。
「母さんが死んだ日に、俺君に幸男とは口をきくなって言ったよな…?」
「あ…、う…ん」
…やっぱりあれ、ホントに約束したことになってたんだ。
「なのに志保ちゃん、通夜んときも葬式んときも、ずっとあいつと一緒だったじゃないか」
「え…」
恭平さん、気づいてたんだ…。
「学校だって、まだあいつに毎朝送ってもらってるんだろ…?」
「それは…」
「別に隠さなくてもいいよ…。どうせそんなことじゃないかと思ってたし」
「……」
「どうなの…?」
問い詰められた私は、正直に謝るしかなかった。
「ごめんなさい…」
すると恭平さんは私の両腕をつかんで、私の唇に彼のそれを強く押し付けてきた。

