初恋グラフィティ


「へー、わざわざありがとう」




そう言ってカードを開いた恭平さんは、中を見るなりいきなり変な顔をした。




「どうかした…?」




私がたずねると、恭平さんはつけっぱなしになっていたテレビを消して、そのカードを私に見せた。




「これ、ホントは幸男にあげるつもりだったの…?」


「え…?」




恭平さんが手にしていたカードを覗き込むと、そこにはユキちゃんに宛てたメッセージが書かれていた。




やば…っ!




私、渡す相手をそれぞれ間違っちゃったんだ…!