「でも私、もうユキちゃんのところには行けないから…」
「え…?」
「だって…」
私がそのまま泣き出すと、恭平さんはため息をつき、台所でお湯をわかし始めた。
「じゃあさ、今日うちに泊まってく…?」
「え…?」
驚いて恭平さんの方を見ると、彼はさわやかに笑った。
「冗談」
「えっ…」
「今あったかいお茶をいれるから、それ飲んで落ち着いたら帰りなさい」
「え…」
「後で送ってってやるから」
「…でも」
「お母さんだってきっと心配してるぞ…?親を悲しませるようなことしちゃダメだろ…?」
恭平さんはそう言うと、換気扇の下でタバコを吸い始めた。

