お母さん、
それはちょっと難しいよ…。
だって、
お腹の赤ちゃんはユキちゃんの子じゃないんだよ…?
〈志保…、ちょっと聞いてるの…?〉
「無理だよ…」
〈どうして…?いいからユキちゃんに来てもらうのよ…?〉
「……」
ダメ…。
ダメだよ…。
今回のことは、ユキちゃんには全く関係ないんだから…。
〈いいわね…?〉
念を押した母に、
「ごめん、お母さん…!」
私はすかさず謝ると、
すぐに電話を切って、そこからタクシーを拾っていた。
運転手さんに告げた先は、自宅ではなく恭平さんのアパート。
家に帰りづらかったのと、恭平さんのお母さんと話してまた心が動かされたっていうのもあるかもしれないけど、
何だか今日も恭平さんに会わなきゃいけないような気がしていた。

